この度、当院入院患者様より新型コロナウイルス感染症が判明し入院患者様をはじめ、外来患者様、ご家族の方々、近隣の方々、さらには関連業者の方々にも大変なご迷惑とご心配をおかけしました事を心よりお詫び申し上げます。
令和3年1月21日に第二病棟入院患者様5名の方が新型コロナウイルスに感染されている事が判明致しました。その後、感染が更に拡大してまいりましたが、2月18日に入院患者様全員及び医療従事者計242名のPCR検査を実施し、全員陰性を確認致しました。そして念のために24日に再度全員のPCR検査を実施致しましたが、この時も全て陰性でありました。従いまして2月11日以降新たな陽性者は認められていません。
感染病棟を持たず一般病棟、障害者病棟、療養病棟を中心に医療を行ってまいりました当院の特性からして、コロナ患者様の治療を行う事は大変な困難を伴いました。高齢の患者様が中心であり、建物はバリアフリー設計されているためゾーニングには不向きな造りでした。その中で全職員が持てる力を出し合い、なんとかこの事態を乗り越える事ができました。
感染された患者様の大半が高齢者であり、基礎疾患を有する方々が多い中、ほとんどの方が回復されましたが、我々の病院では酸素吸入、ステロイドの使用、人工呼吸器の装着など、対症療法しか行えず残念なことに数名の高齢者がお亡くなりになりました。当時、京都では感染者が非常に多い時期であり、重症感染者受入病院も満床の為、転院して頂くこともできず大変心苦しく思っておりました。ただ、患者様がお亡くなりになられた際に、ご家族の方々には防護の上ガラス越しに、患者様のお顔を見て頂き、お別れして頂けたことだけが我々にできるせめてもの事でした。亡くなられた方には心よりご冥福をお祈り申し上げますと共にご家族、ご親族の方々にも衷心よりお悔やみ申し上げます。
この間、ネットによる誹謗中傷もありましたが、一方で多くの患者様やご家族の方々そして近隣の方々からたくさんの励ましのお電話やお手紙を頂きました。このことは我々医療に携わる道を選んだ者にとって、最も勇気付けられる、また、仕事へのやりがいを感じる事ができる一番嬉しいものでありました。
更に京都市医療衛生推進室の皆様及び感染対策チームの方々、そして京都大学医学部附属病院の感染制御部の先生方には並々ならぬご支援を頂きました。また、京都府健康福祉部コントロールセンター様からも多くの感染防止資材の提供を頂きました事につきましても厚く御礼申し上げさせて頂きます。
5週間に渡る診療自粛ではありましたが、外来診療に関しては3月1日より再開致しました。一般入院及び救急入院におきましては3月10日より受け入れを再開致します。今後も感染症対策に万全を期し回生病院の基本理念であります「患者本位の医療と介護」を更に推進し、患者様に安心して頂け、信頼される病院運営に努めてまいります。
結びにあたり、この間、感染の危険性をも顧みず患者様の治療と感染阻止に一丸となって取り組んで頂いた医師・看護師をはじめ全職員にも心より感謝致します。
医療法人回生会
理事長 出射靖生