ことばの障害(失語症)
症状
大脳の言語領域の損傷により、話す・聞く・読む・書くことが難しくなります。脳の損傷部位によって症状の表れ方が異なり、話すことがうまくできなくなったり、なめらかに話せるものの、発話量のわりに内容が伝わらなかったりします。
リハビリ:ことばを思い出す訓練や自分の発語を聞きなおす訓練を行います。また、コミュニケーションボード等を用いた、代償手段の獲得を目的にもアプローチを行います。
声、発音の障害(構音障害/音声障害)
発声発語器官(舌・口唇など)の運動が傷害され、声や発語の異常が起こり、話し言葉が不明瞭となります。聞いて理解する、読み書きは問題ないところが失語症と異なるところです。
リハビリ:発語器官の運動訓練や呼吸筋の訓練などを行います。
摂食嚥下障害
私たち健常者が何気なく行っている”食べる”という行動は、食べ物を見て(認知)、口腔内に取り込み、噛み(咀嚼)、飲み込む(嚥下)などの一連の流れによって成り立っています。
その過程のいずれかが障害された状態を「摂食嚥下障害」といいます。
摂食嚥下障害になると?
飲食物が食道ではなく気管に入ってしまった場合、通常はむせて気管から排出する防御反応が働きます。しかし、この機能が低下すると気管に入り込んでしまった食物を排出できず、結果として肺炎を起こすことがあります。
このように食べ物や唾液などが気管に入ってしまうことを誤嚥といい、誤嚥が原因で起こる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。
特に、高齢者の方に多く見られます。
また、誤嚥のサインは「むせ」ですが、加齢や疾患等によって誤嚥していてもむせないことがあります。
これを”むせ”ない誤嚥=不顕性誤嚥と呼び、気付かれないうちに肺炎を発症することがあります。
摂食嚥下障害はなぜ起こるのか?
食べる為に必要な筋力(舌・口唇・頬等)の強化、誤嚥してしまった時に食物を吐き出す訓練を行います。
その他に、口腔内の環境や機能の維持・向上を図る口腔ケアや、患者様一人ひとりに見合った摂食時の姿勢や食形態の調整、さらに、実際に食物を用いて嚥下訓練などを行います。